第74章招待状

その瞬間、撮影スペースの中心部から飛んできた大声が、ごちゃごちゃした物音を突き抜けて、はっきりと耳に届いた。ウィリアムの声は怒りに染まり、聞き間違えようがない。

「いったいどうなってるんだ!?この衣装のボタン、また緩んでるじゃないか!縫い目が雑すぎる!前に使ってた特注品の出来とは雲泥の差だ!こんな有様で寄りのカットが撮れると思ってるのか?誰の責任だ?こんな基本的なことまでどうして間違える!」

セットは一瞬で静まり返った。いつものざわめきがぷつりと途切れ、残ったのはウィリアムの怒号の残響だけだった。

重たい沈黙が少し続いたあと、怯えた若い少女の、涙声が割り込んだ。大きくはないのに、静けさの...

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